現在の仕事で取り合いのあるガスタービンジェネレーター
主機であるガスタービンについて構造、特徴を導入として把握するため以下の図書を読んでみたってよ。疑問に思った箇所も記載。
「図解 ガスタービン」佐藤 幸徳 著
日刊工業新聞社 発行(品川区大崎図書館でレンタル)
メモ:著者はIHI出身の工学博士でほかに「ガスタービンの燃焼工学」等も執筆している。
1.レシプロエンジン(車)とジェットエンジン(飛行機、ガスタービン)の長所、短所
ジェットエンジンの長所
・回転運動なので振動が少ない。
(レシプロエンジンはピストンの往復運動をしているので振動がつきもの)
・毎分数万回転が可能なため短時間に大量の空気を吸入でき、重量に比例して高い出力がえら得る。
(レシプロエンジンは1シリンダの容積や回転数に限界がある)
・連続燃焼なので点火の問題がなく薄い混合気でも燃焼可能
・燃焼室の壁面はエンジンを流れる空気で冷却されるので冷却装置が不要
ジェットエンジンの欠点
・最高温度がタービン材料の耐熱性に制限を受けるので低い。(現在はMHI J型 1600℃)
2.蒸気タービンとの違い
・蒸気タービンは作動流体が水(液体)なので所用動力は無視できる
・ガスタービンは作動流体が気体なので圧縮するための動力が必要となる。
タービンで発生する動力:3
圧縮機で必要な動力:2
有効動力:1
他:4(熱として廃棄??)
・蒸気タービンの開発がガスより進んだ理由は蒸気の方が有効動力を多く取り出せるから
・蒸気タービンは作動流体が水なので高温=高圧になる。よってそれに耐えるボイラ容器が必要になるので最新鋭の火力発電所でも熱効率は40%程度。(コンバインドは別)
・蒸気タービンは外部で燃焼させるので多種多様な燃料が使用可能。(石炭、木材、ごみ、重油、天然ガス)
3.ガスタービンの応用システム(←担当はココとの取り合い)
・コンバインドサイクル:ガスタービンサイクルとボイラと蒸気タービンのランキンサイクルを組み合わせたもの。ガスタービンの排ガスをボイラで回収して蒸気を発生し蒸気タービンで発電するサイクル。
4.燃料電池とのコンバインドサイクル(←気になった)
・溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)、個体酸化物型(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)は600℃以上の高温で作動、燃料電池だが熱機関的な要素をもつのでガスタービンの高温排熱を利用してコンバインド発電に適用できる。
6.六本木ヒルズにガスタービン
六本木ヒルズにはガスタービン発電設備(燃料は都市ガス)があり東京電力からの供給がなくても停電しない。これにより外資を引き込む一つの特徴としている(停電しネットワークがカットされる事で会社にImpactがあるような企業もある)
詳細は猪瀬さんのBlog参照
5.超マイクロガスタービン
MITのLabで研究がされている。現在の燃料電池に比べて高密度電源として期待されている。(リチウム電池の3〜15倍のエネルギー密度があるらしい)(←調べてみる)
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